コロナ負債に苦しむ中小企業を救う!民間金融機関による「早期経営改善計画策定支援」が3年間延長

コロナ禍による負債に苦しむ中小企業を支援するため、政府が推進する民間金融機関による「早期経営改善計画策定支援」がさらに3年間延長されることが発表されました。本記事では、この支援策の概要や活用方法について詳しく解説します。


「早期経営改善計画策定支援」とは?

「早期経営改善計画策定支援」は、中小企業が自主的に経営改善計画を策定する際、その費用の最大3分の2を補助する制度です。コロナ禍で融資を受けたものの、返済負担が大きく経営が苦しい企業を対象にしています。

具体的な内容は以下の通りです。

  • 計画策定費用の補助
    国が認定した専門家(税理士や中小企業診断士などの認定支援機関)に依頼して作成する計画書の費用を、最大20万円まで補助。
  • 計画書の内容
    • ビジネスモデルの俯瞰図
    • アクションプランの策定
    • 資金繰りや損益計画のシミュレーション
    • 具体的な目標値の設定

この支援は、中小企業が主体的に経営計画を立てることを目的としており、金融機関への同意取得や承認は不要です。


民間金融機関による支援の背景と今後の動き

2024年2月からは、税理士、中小企業診断士等の認定支援機関のみならず、民間金融機関による計画策定支援がスタート、当初は1年間の期間限定でした。しかし、コロナ融資の返済が本格化する中、依然として中小企業の経営が厳しい状況が続いていることから、以下のような改正が行われました。

  1. 期間の延長
    • 2025年2月から2028年1月までの3年間延長
      中小企業の経営状況が思うように改善しない現状を踏まえた対応です。
  2. 対象範囲の拡大
    • 対象となる融資総額の上限が4,000万円まで引き上げ。これにより、より多くの事業者が支援を受けられるようになります。

支援を受けるための流れ

支援を受けるための基本的なステップは以下の通りです。

  1. 相談先を決める
    まずはメインバンクや認定支援機関(税理士、中小企業診断士など)など、相談先を決定します。
  2. 補助申請
    補助金を受けるための申請手続きを行います。最大20万円の補助を受けられるため、実質的な負担は3分の1です。
  3. 計画の策定
    認定支援機関や金融機関とともに、ビジネスモデルを見直し、改善に向けたアクションプランや資金繰り計画を策定。
  4. 計画書の提出
    完成した経営改善計画書を金融機関に計画書を提出。ただし、金融支援を求めるものではないため、同意や承認を得る必要はありません。

中小企業経営者へのメッセージ

この制度は単なる資金繰り支援ではなく、持続的な成長を目指す経営計画の策定を促進するものです。特に以下のような経営者には、積極的な活用をお勧めします。

  • コロナ融資の返済が本格化し、負担を感じている
  • 数値計画や具体的なアクションプランの策定に不安がある
  • メインバンクや専門家と連携して経営を改善したい

まとめ
コロナ負債に苦しむ中小企業が再び安定した経営基盤を築くために、国が用意した「早期経営改善計画策定支援」は非常に有益な制度です。この機会を活用し、持続的な経営改善の第一歩を踏み出しましょう。

必要な情報や詳細は、認定支援機関やメインバンクに相談することで得られます。この制度を有効に活用し、経営改善を図りましょう!

サイト運営者プロフィール

遠藤 久志
遠藤 久志
◇略歴
・1973年9月 岐阜県岐阜市生まれ。
・1996年3月 名古屋大学文学部と卒業後、食品系チェーンストア企業や化粧品メーカーに勤務。経営企画、情報システム管理等の職務に従事。
・2007年10月に独立開業、中小企業診断士事務所「くおん経営」開設。
・2014年6月~2017年3月 岐阜県よろず支援拠点コーディネーター(創業、IT担当)
・2018年4月~ 2023年3月名古屋市新事業支援センター IT担当マネージャー
・2023年4月~ あいち産業振興機構「創業プラザ」創業マネージャー(現任)
◇セミナー講師実績
 事業計画作成セミナーをはじめとした経営セミナーの実績150回超
◇保有資格
 中小企業診断士、ITコーディネータ、上級ウェブ解析士